こんにちは。今回は、私がサイゼリヤに入社する前に実際にあった出来事を、当時の上司から聞いたエピソードとしてご紹介します。
「サイゼリヤでピザに“メラミン”が混入していた」
そんなニュースが世間を騒がせたのは、今から十数年前のことです。
レシート不要で返金します——サイゼリヤの英断
当時、サイゼリヤ本部はすぐに声明を出し、対象商品を食べた可能性がある方に対して、レシートの有無を問わず返金対応を行うと発表しました。
お客様の安全を第一に考えたこの決断は、世間からは賞賛の声も上がりましたが、一方で店舗現場はかなり混乱したそうです。
返金ブーム到来?学生たちの“変な盛り上がり”
ある地域では、学生たちの間でちょっとした“ブーム”のようなものが起きたといいます。
「返金された!」「何勝何敗!」なんて報告し合うようになり、ピザを食べてもいないのに返金を求める人が後を絶たなかったとか。
現場スタッフは、対応しながらもどこか釈然としない思いを抱えていたそうです。誠実さが試される、本当に大変な時期だったと思います。
心に残った、老夫婦の言葉
そんなある日、ある店舗に常連の老夫婦がいつものように来店されました。
毎回、注文は決まって「イカのすみ入りスパゲッティ」「ワイン」「野菜とキノコのピザ」。
対応に出たスタッフが、いつものように丁寧にお声がけしました。
「この度は大変申し訳ございません。もしよろしければ、ピザの代金をご返金させていただきます」
すると、その老夫婦は、にこやかにこう答えたそうです。
「私たちはそのピザはいただいておりませんよ。お気遣いありがとうございます。大変でしょうけど、頑張ってくださいね」
スタッフは胸がいっぱいになったそうです。
混乱の中に、こうした静かで確かな温かさがあったことは、今でも忘れられないと語っていました。
おわりに:誠実さは、必ず誰かが見ている
私はこの話を、当時の上司から聞きました。入社前の出来事ですが、「こういう会社で働きたい」と思ったきっかけのひとつでもあります。
返金対応に追われながらも、誠実に一人ひとりに向き合うサイゼリヤ。
そして、その姿勢を理解し、見守ってくれるお客様。
飲食業は大変ですが、だからこそ人の優しさや信頼が、何倍にも心に響くのだと思います。
あなたには、記憶に残る“お客様”がいますか?
そんな体験があれば、ぜひコメントで教えてくださいね。