サイゼリヤのパスタメニューの中でも、根強い人気を誇る「タラコソースシシリー風」。
あのマイルドなクリーム感とタラコの塩気が絶妙なバランスですが、実はこのソース、
店舗で料理人が一から作っているわけではありません。
そこには、サイゼリヤが得意とする「工場での徹底的な作り込み(バーチカル・マーチャンダイジング)」の秘密が隠されていました。
今回は、あのソースがテーブルに届くまでの裏側と、それをさらに美味しく食べるための「科学的な最適解トッピング」をご紹介します。
1. 味の決め手は「特製タラコ」と「生クリーム」
まず驚くのが、素材へのこだわりです。サイゼリヤの食品工場に関する資料によると、原料には以下のものが使われています。
- 厳選された調味タラコ: ただのタラコではなく、このソースによく合うように調整された「サイゼリヤ仕様」のものが生産元から工場へ出荷されています。
- 生クリーム: あのクリーミーさの正体は、機械に投入されるたっぷりの「生クリーム」です。
これらをスタッフが厳密な仕様書(加熱時間や配合)に沿って管理し、巨大なラインへと投入していきます。
2. 「手作業なし」が品質安定の鍵
工場での工程は、徹底的に機械化・自動化されています。
- 機械が自動で混ぜる: タラコと生クリームを混ぜる工程は機械が自動で行います。これにより、人の手によるバラつき(今日のはしょっぱい、今日のは薄いなど)がなくなり、いつ食べても変わらない「あの味」が保たれます。
- 1食ずつ自動計量・個包装: 出来上がったソースは、ベルトコンベア上で自動的に1食分ずつ計量され、個包装(パウチ)になります。
こうして作られたソースは、店舗スタッフが使いやすいように向きや数を揃えてケースに詰められ、各店舗へ配送されます。
3. 店舗では「混ぜるだけ」の科学
店舗のキッチンでは、工場から届いた個包装のソースを、茹で上げたスパゲッティと混ぜ合わせるだけで完成します。
なぜ「混ぜるだけ」なのか? これは単なる手抜きではありません。
包丁を使ったり、複雑な調味をしたりする工程を店舗からなくすことで、「誰が作っても同じおいしさ」を秒単位の速さで提供できるように設計されているのです。 ソースを直前にあえることで、タラコの風味やクリームのなめらかさが生きた、出来立ての状態をお客様に提供できます。
4. ここで弱点発覚?「時間が経つとパサつく問題」
さて、工場での完璧な計算によって作られた「タラコソースシシリー風」ですが、食べているうちに一つだけ気になる点が出てくることがあります。
それは、「時間が経つと、麺が水分を吸ってパサついてくる」こと。
特にゆっくり会話を楽しみながら食べていると、後半どうしてもソースの滑らかさが失われ、麺同士がくっついて重たくなりがちです。
そこで推奨したいのが、プラス50円の「半熟卵」トッピングです。
5. なぜ「半熟卵」なのか? 科学的なメリット
「タラコ(魚卵)にさらに卵を乗せるの?」 「たまご×たまごで、くどくない?」
そう思う方もいるかもしれません。
しかし、これは味の好みだけでなく、物理的なメリットが非常に大きいのです。
- 追いソース効果で復活: パスタが冷めてパサつき始めた頃に半熟卵を崩して混ぜると、黄身が麺の表面をコーティングしてくれます。これが新たな「ソース」の役割を果たし、失われたクリーミーさが復活します。
- 冷めても美味しい乳化作用: 卵のコクが加わることで、少し冷めたパスタ特有のボソボソ感が消え、最後まで滑らかに食べ進めることができます。
工場で作られた「生クリームベースのソース」に、店舗で「新鮮な卵のコク」を足す。
これこそが、最後まで美味しく食べるための完成形なのです。
まとめ:シンプルに見えて「ハイテク」なパスタ
400円(税込)という低価格で食べられる「タラコソースシシリー風」。
その裏側には、生産元から工場、そして店舗に至るまで、緻密に計算された「おいしさのリレー」がありました。
- 工場: 機械化による品質の均一化とコストダウン
- 店舗: スピード提供と再現性の確保
- 卓上: 半熟卵による「経時劣化(パサつき)」のカバー
次にサイゼリヤでこのパスタを食べる時は、ぜひ「工場の巨大なミキサー」を想像しつつ、後半は半熟卵でクリーミーさをブーストさせて味わってみてください。 その一杯が、より一層科学的に(?)そして美味しく感じられるはずです。
