突然ですが、サイゼリヤの「ミラノ風ドリア」、食べたことありますか?
そう、あの300円台の神コスパメニューです。
じつはこのドリア、30年前は480円だったんです。
「え?昔より安くなってるって、どういうこと!?」と思ったあなた。
そこには、サイゼリヤのとんでもない戦略と努力が隠れていました。
■「もっと売れたら、もっと安くできる」という逆転の発想
サイゼリヤの創業者・正垣泰彦会長は、ミラノ風ドリアが話題になった当初、こんな風に考えたそうです。
「安くておいしいって言われてるドリア。もっともっとたくさん売れれば、もっと安くできる!」
普通は「売れたら価格を上げる」方向に行きそうですが、サイゼは逆。
売れてるからこそ、さらに安く、たくさんの人に届けたいという発想。
ここから、他の外食チェーンとはまったく違う方向へ走り出すことになります。
■ オーストラリアに自社工場!?その理由とは?
実はサイゼリヤ、ハンバーグやドリアソースなどをオーストラリアの自社工場で生産しているんです。
その理由はシンプルで、
- 良質な牛肉が安く手に入る
- 土地が広く、人件費も比較的安い
- 輸送効率を考えた物流拠点としても優秀
つまり、「日本で作るよりも、オーストラリアで自社生産して輸入した方が、安くて品質も良い」という判断。
これは普通の飲食チェーンではなかなかできない決断です。
■ サイゼは“外食版トヨタ”だった?
さらにサイゼリヤは、外食チェーンでありながら、
- 食材の調達
- 加工
- 出荷
これらを全て自社で完結させる“外食版トヨタ方式”をとっています。
だからこそ、無駄な中間コストがかからないし、味も品質もブレない。
お店では300円台という価格でも、しっかり利益が出る“仕組み”ができているのです。
■ 安さは企業努力ではなく、企業戦略
「サイゼのドリア、安すぎて逆に不安…」という声を聞くこともありますが、
その安さにはしっかりとしたロジックと仕組みがあります。
ポイントはここ👇
- 原価を下げるのではなく、“構造そのもの”を変える
- 他社がやらないこと(=海外自社工場)をあえてやる
- 売れるからこそ、安くできる「逆転の発想」
これは飲食に限らず、他のビジネスでも大いにヒントになる戦略です。
■ おわりに
サイゼリヤのミラノ風ドリアは、ただの“安いグラタン”ではありません。
30年前より安く、しかもおいしくなっているその裏には、
“価格破壊”ではなく、“構造改革”があったのです。
次にドリアを食べるとき、ちょっとだけその背景を思い出してみてください。
きっと、あのホワイトソースの味が少しだけ深く感じられるかもしれません。